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江戸前のネタは今が旬!鮨ネタランキング5月編 -SUSHI TIMES ORIGINALS-

いよいよ春本番!暖かい海流を待っていた魚たちが活発に動き出します。

アオリイカ

寿司ネタとしても人気の「イカの王様」

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乗馬時に泥をよける馬具、「あおり」に似ていることからその名がついたアオリイカ。

馬具の「あおり」


弾力のある身は甘みとうま味が強く、国内での漁獲量が少ないことから、イカの中では最も高価。「イカの王様」と呼ばれ、鮨ネタとして人気があります。
全長1mにまでなる大物もいる大型のイカで、胴長が50cmを超える大型のものは産卵前の春から初夏が旬。北海道以南の各地の沿岸に生息していて、関東以西、福井県以西の沿岸でよく獲れます。

他のイカとの違いは、エンペラという耳の部分が大きいこと。
スーパーで一般的に売られているスルメイカや剣先イカのように頭は綺麗な三角でなく、少し丸みのある形をしています。コウイカのように甲羅はなく、薄い軟骨が胴の部分にあります。
殻は持たず、外套(ガイトウ)の長さが20cm以下だと雌であることが多く、それ以上になると雄であることがほとんど。
寿命は1年と短命で、小魚やエビ類を好む肉食性です。

参考:釣り日和 旬の食材百科 shufuse macaroni

江戸前鮨でも人気の高級鮨ネタ

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甘み・うま味が強く、肉質はやや硬く歯触りが良いアオリイカは、鮨ネタとして高い人気をほこっています。
ねっとりとした甘み、しなやかな柔らかさと歯ごたえが特徴的で、一日熟成させた翌日以降のほうが甘みが増すと言う人も。酸味や塩気の強いシャリとの相性が特に良いとされています。

アオリイカの仕事には食感を活かすための包丁が重要で、どれほどの厚みに切りつけて、どう隠し包丁を入れるかで食感と味わいが大きく変化します。
食感の変化があり、噛むほどに甘くなる包丁仕事が理想的で、その点でもアオリイカは高級鮨店の代名詞と言えるでしょう。
良いネタはシャキッとしていながらも、最後には口の中に身が残らずとろけるように消えていきます。

参考:ぼうずコンニャクのWEB寿司図鑑 すしログ つきぢ神楽寿司

スルメイカ

日本で一番ボビュラーなイカ

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食用とされる主なイカの中で最も多く出回っているスルメイカ。その水揚量は、青森県が日本一です。
値段もお手頃で最も身近なイカと言えるでしょう。
春から夏にかけて、暖流にのって北上してくるスルメイカはこの時期が旬!春から初夏に獲れるやや小ぶりなスルメイカは「バライカ」と呼ばれ、7月~9月に獲れるスルメイカは旬の時期にちなんで「夏イカ」と呼ばれます。関東周辺では、初夏に獲れる若くて小さなスルメイカを、麦の収穫の時期にちなんで「ムギイカ」と呼ぶことも。
時期によって名前が変わるなんて、なんだか風流ですね。
新鮮なスルメイカは、生で良し、焼いて良し、煮て良しと、三拍子そろった優れもので、捨てるところがありません。どんな調理法でもおいしく食べられますが、やはり新鮮な刺身のコリコリした食感は最高。鮨ネタに適した食材です。

縁起を担いだ「あたりめ」?

スルメイカという名前は、「墨」を吐き「群れ」をなすところから「スミムレ」、そこから変化して「スルメ」と呼ばれるようになったと言われています。
またスルメイカを干物にした「するめ」を「あたりめ」と呼ぶことがありますが、これは「するめ」の「する」が、お金をなくす意味の「する」を連想させるため、縁起を担いで「あたり」と言い換えて「あたりめ」と呼ばれるようになった説が有力です。

人気の秘密は味だけじゃない!

昔から日本の食卓で親しまれているスルメイカ。人気の秘密は味はもちろんのこと、栄養面にもあります。
高たんぱく、低カロリー、低脂肪、そしてタウリンが豊富で、日々の献立に取り入れたい頼りになる食材です。

青森のうまいものたち macaroni 旬の食材百科

この時期から初夏が美味しさの本番

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日本各地で一年を通して水揚げされるスルメイカですが、美味しさはこの時期が本番。特にこの時期の小ぶりなバライカは柔らかく、握りも絶品です。シコっとした食感に噛むとじわりと旨味が感じられます。
ケンサキイカのようなねっとりとした甘味はありませんが、甘味と旨味のバランスが良く、身はもっちりとしています。シコシコとした歯触りとキュッキュッとした歯ごたえもたまりません。酢飯との馴染みをよくするために切りつけることが多く、職人の技が光ります。

江戸前ずしの基本「煮いか」

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醤油と水で割ったものでスルメイカをほんの数分煮る「煮イカの握り」。調味料にみりんを使わないのが、江戸前のやり方です。古い江戸前の仕事で、今では食べられる寿司屋は少ないんだとか。歯ごたえもよくイカの甘みと醤油のほのかな辛さが絶妙です。「思ったよりも甘くするのがコツ」と言う寿司屋もあるようで、その甘さがすし飯によく合います。今や基調になったスルメイカの「煮いか」。見かけたら是非食べたい一貫です。

参考  FORZA STYLE ぼうずコンニャクの WEB寿司図鑑 ぼうずコンニャクの WEB寿司図鑑 まがりや.net

シャコ

江戸前鮨には欠かせない高級食材

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江戸前寿司のネタとして親しまれるシャコ。エビよりもあっさりとした味であることから、好きな方も多いでしょう。日ごろはあまり食卓にあがることのない食材ですが、昔は一般家庭でも大量に茹で食べられていたんだとか。
ごく新鮮なものは刺身にして美味。シャコツメと呼ばれる足の部分は旨みを凝縮したような濃縮な味わいで酒肴として人気です。卵巣はカツブシと呼ばれて珍重され、卵を持つ初夏が旬とされています。
そんなシャコの旬は春から初夏のこの時期。産卵期が近いため、子持ちのシャコが多く、漁獲量も多くなります。

シャコはエビの仲間?

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一見エビのようでもあるシャコですが、捕脚というはさみのついた前脚や平たい尾など、その見た目は昆虫にも似て独特です。
大きさは12~15センチほどで、地方ではシャコエビと呼ぶ場所もあることからエビの仲間と思われがちですが、シャコとエビは遠い関係であることが知られています。生物学的にも属する分類が違いますし、エビよりも大きいサイズであることも、エビとの違です。

寿司屋から消えたシャコ?

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かつては江戸前寿司の定番ネタだったシャコですが、現在は希少な高級ネタとして扱われるようになり、値段の安い寿司屋ではお目にかかれなくなってしまいました。その理由は漁獲量が減少したことにより、一時期漁獲自体ができなくなってしまったため。現在は制限しながら漁獲を行っていますが、かつてのように大漁に水揚げすることはできなくなってしまいました。決まった時期に少量の出荷になること、また鮮度も落ちやすいことから高級食材になってしまったのです。

参考:旬の食材百科 八面六臂 ぼうずコンニャクのWEB寿司図鑑 オリーブオイルをひとまわし ちそう

ヒラマサ

希少性の高い高級魚

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アジ科ブリ属に属するヒラマサは「青物の王様」!ブリやカンパチに並ぶブリ御三家とも呼ばれています。
ブリよりも出回る量が少ないため、希少価値が高くなり高級だとされています。これはブリが群れで動くのに対し、ヒラマサは一匹ずつ行動するから。同じ回遊魚ですが、この違いがヒラマサの珍しさを助長しています。
ヒラマサは5月頃の春に旬を迎え、9月までピークが続きます。ピークが長く、夏場には冬より魚の味が落ちるため、ヒラマサは魚好きの人たちから重宝されている魚です。傷みやすく変色しやすいブリに比べ、ヒラマサは寝かせると美味しくなります。血合いの部分も少なく身がしまっていて通に人気の美味しい魚です。

魚屋さんも取り合う上品な脂と甘味

ヒラマサは歯ごたえがありさっぱりとした味わいで、クセがなく弾力のある食感が特徴的。
脂身が少ないためクセが弱く淡白な味わいのヒラマサはしっとりとしており、歯ごたえがあります。
天然のヒラマサは大きくなるほどに美味で、上品な脂と甘味は格別!ブリと違って色飛びせず、身もしっかりしているので、1週間たってもお造りでいただけます。
1週間たったほうが甘味がにじみ出てきて美味しいという人もおり、魚屋さんの間でも買い合いになるのだとか。まさに通好みの魚なのです。

ヒラマサの熟成
熟成させたヒラマサは旨味が増大し、とても美味しくなります。
1日寝かせたヒラマサは身がまだ白っぽく透明感があります。身はコリコリとした食感で、味は薄めです。
3日目には身が透明から少し飴色に変化。身には歯ごたえが残っていますが、味は1日目より濃厚に。寝かせば寝かすほど身が柔らかくなり、色が飴色になっていき、味が強くなるようです。
皮は剥がずに保存したほうが身が空気と触れず長持ちします。つまり3枚に卸さずに丸のまま寝かしたほうがずっと美味しく食べられます。寿司屋が魚屋から仕入れるときもかならず皮付きのまま納品されるのだとか。

白身魚が枯渇する夏の救世主

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冬のブリ、夏のヒラマサ、なんて言う寿司屋もいるほど美味しいヒラマサの握り。ブリの味が落ちる春に脂がのりはじめ、夏まで旬は続きます。
ヒラマサは変色するまでに時間がかかり臭くなりにくいため、刺身やお寿司に向いています。
また、寝かせて水分を飛ばし本来の旨味を引き出すことができる熟成魚でもあり、熟成の一手間を挟むことでコリコリとした硬めの身がとろけるような食感にかわり、さっぱりとした淡白な味わいにプラスしてヒラマサ本来の旨味をより感じることができます。身質がやわらかくなったおかげでより酢飯とのなじみがよくなり、さらに美味しくお寿司を堪能することができます。

ヒラマサの昆布締め

ヒラマサは昆布締めにして握ることもあります。日本酒で湿らせた昆布にヒラマサを挟んで一日寝かせ、握ります。昆布のよい香りがふわっと漂い、ほどよい粘りと弾力。水分が抜けて身が締まり、ねっとりとして弾力もよりしっかりとしています。

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しらす

しらすは何の稚魚?
しらすはイワシやウナギ、イカナゴ、アユ、ニシンなど体に色素を持たず、透き通った稚魚の総称で、体長約1〜2cm程度のものを指します。これらの稚魚は茹でると白くなるため、白子(しらす)と呼ばれるようになったといいます。頭から尾まで丸ごと食べられるしらすはカルシウムたっぷりで、積極的に食べたい食材です。

産地で異なるしらすの旬
しらすの旬は産地によって異なり、この時期旬なのは全国1位の水揚げ高をほこる兵庫県産。国内におけるシェアのうち、およそ20%を占めています。
淡路島はとくに有名で、岩屋漁港で揚がる生しらすは全国にその名を知られています。漁場である明石海峡は潮の流れが速く餌も豊富なことから、良質のしらすがたくさん獲れるのです。
このあたりでは毎年4月下旬〜11月末まで、漁が行われます。旬といわれる時期は年に2回あり、春は4月〜5月の間頃、秋は9月中旬〜11月頃です。
水揚げされたしらすはベテランの職人によって厳選され、とくに質の良いものだけが加工場に運ばれて、殺菌後マイナス40度の低温で急速冷凍されます。
最高の鮮度を保った淡路島の生しらすは、島内の限られた店舗だけでしか取り扱うことができません。まさにその土地でしか出会えない、貴重な味です。

神奈川県のしらすもこの時期が旬です。
ほぼ年間を通してしらすを獲ることができますが、なかでも4月〜5月頃の「春しらす」はとくに甘味があって、おいしいといわれています。
相模湾で獲れるしらすは「湘南しらす」は湘南エリアの鎌倉や江ノ島の名物で、しらす漁の時期には、これをお目当てにわざわざ遠方から訪れる人もいるほど。生しらすはもちろん、生産者が自ら漁に出て加工し、直接販売しているという釜揚げも人気。塩のみで仕上げ、添加物を一切使っていないため、しらす本来の味わいが楽しめると定評があります。

軍艦でいただく生しらす

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わけぎを切り、しょうがをのせていただくしらすの軍艦。透明感が残るしらすは、ぷりぷりとした食感が心地よく、うま味と苦みが口に広がります。


しらすの中でもマイワシの稚魚がより美味で、値段はウルメの3倍もします。
寿司職人はまずしらすの匂いを嗅ぐようで、これはアユの稚魚が混ざっていないかの確認。アユの稚魚はあまり美味しくないようです。
マイワシと比べると旨味に欠けるものの、ウルメも食感がよくて面白い一貫。
軍艦としても味わいはそんじょそこらの白身より断然うまいという人も。

文・編集 SUSHITIMES編集部

本記事は他サイトの文献を参考にし掲載させていただいております。