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江戸前のネタは今が旬!鮨ネタランキング9月編 -SUSHI TIMES ORIGINALS-

秋の気配深まる9月。今月も多くの寿司ダネが旬を迎えます。産卵期を迎え脂が乗ってくる魚は今しか味わえない、秋の味覚。江戸前の旬を感じにお鮨屋さんへ急げー!

新イカ

「初物」はどんなに高値でも鮨屋が欲しがる垂涎のネタ

スミイカ(コウイカ)の子供「新イカ」。イカの中でも最も旨いと言われている種の一つです。柔らかいのに、軽快な歯ごたえの独特で繊細な食感は新イカは、夏の終わりを感じさせてくれるタイミングで寿司屋に並びます。

出典:http://hino-zushi.com/index.php?QBlog-20150808-1

江戸前のお鮨屋さんは、新イカの初物が競りに出てくるとこぞって高値をつけたといいます。なんと1キロ6万円以上つくことも!それでも江戸前のお鮨屋さんはお客さんのため、見栄のために新イカを仕入れるのだとか。

握りでは「丸づけ」がベスト

出典:https://www.foodee.jp/column/746/

1貫で1杯のサイズを握る「丸づけ」がベストだと言われますが、1貫に2杯付されることもあるようです。大きくなった新イカは1杯で2貫の「割りづけ」で握ることもあります。また、新いかの身は極端に柔らかいので、神経を集中させないと指で破いてしまうそうです。下処理にそれなりの手間がかかるので、鮨屋泣かせのネタとも言われています。あっという間に大きくなるという新イカは獲れる期間が1ヶ月もありません。一瞬の旬を是非味わいたいものです。

参考:foodie, dancyu

汐っ子(しょっこ)

カンパチの若魚

大小問わず高級魚のカンパチですが、1キロ弱の若魚のことを汐っ子(しょっこ)と呼びます。東京湾内房、近海の外房、相模湾などに多いことから汐っ子は正真正銘の江戸前と言えます。江戸前での旬は小ぶりのものが獲れる秋です。この時期の汐っ子は身に張りがあり、脂もほどほどにあり刺身や鮨ネタに最適です。

画像出典:https://www.yokohama-maruuo.co.jp/活け締め(即死させて送られて来たもの)もいいですが、なんといっても活魚(その日に即死させたもの)が美味しいとされています。「汐っこ」の背の部分を握りでいただくとシコッとした食感が舌に心地よく、うま味と甘みがほどよい味です。すし飯と合わさって後味が良いのも特徴です。

参考:ぼうずコンニャクのWEB寿司図鑑

イワシ

秋に最も脂が乗る品種も

梅雨のイメージが強いイワシですが、100%日本の近海で獲れる「マイワシ」はこの時期に旬を迎えます。この時期の「秋イワシ」は最も脂がのって美味しく、近年は漁獲量の減っているサンマに代わり秋の味覚の代表格になっています。

先史時代から日本人を支えてきた栄養満点の魚

画像出典https://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/archives/document/5854

栄養面でも優れており、日本人に不足しがちなビタミン、ミネラルを多く含むイワシは、先史時代からずっと食べられ続けてきました。日本全国から出土する「貝塚」から発見される一番ポピュラーな魚はイワシだそうです。たくさん捕れて安価なため、奈良・平安の時代には、庶民の食べる下級魚のように扱われ、貴族などからは小バカにされることもあったようですがその旨さのあまり、かの「紫式部」もこっそり焼いて食べていたのを夫に見つかったことがあるとか。

 

 江戸前では酢締めが定番

内海の上物は生で握るのが別格ですが、江戸前では塩と酢で締めます。とにかく足が早いので、鮮度を保持するために細心の注意を払い、注文を受けてから腹を開くお鮨屋さんも多いです。生姜とあさつきなどの薬味を噛ませて握りは美しく、絶品です。

出典:江戸前のすし(寿司・鮨・鮓) /究極の仕入れ・仕込み・レシピ ,  dancyu

 

 

秋刀魚

画像出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO50879940R11C19A0000000/

今や高級魚!?資源が減り続ける、秋の味覚の代表格

秋刀魚漁は、秋刀魚がオホーツク海にいる7月中旬から始まりますが、旬はやはり秋です。秋刀魚が根室から襟裳岬沖辺りに南下し始める9月から11月が一番脂がのったおいしい時期とされています。”秋の味覚の代表格サンマですが、昨今サンマが獲れないというニュースをよく聞きます。2020年7月国立研究開発法人水産研究・教育機構は、サンマの来遊量は昨年を下回り、漁場もほとんど形成されないだろうという長期予報を発表しています。また、現在北大西洋のサンマは、北大西洋漁業委員会(NPFC)による資源管理の対象になっています。このまま資源が減っていくとサンマが食べられなくなる日が来てしまうかもしれません。視野を広げて全体像を知った上で、食べ続けられるための仕組みを考えていかなければならないですね。”

鮨や刺身には秋より少し早い初サンマが最適

画像出典:https://sushi.zukan-bouz.com/detail.php?id=14

サンマは江戸前鮨の発達より遅れて江戸に入ったと言われ、江戸前鮨のネタとしては後発だという説も。旬は秋のサンマですが、鮨や刺身でいただくには秋より少し早い初サンマが適しています。脂がほどよい加減であり、回遊魚ならでは酸味が感じられるサンマの握り。そして後からくるうま味が非常に強い。肉厚で柔らかく、すし飯との一体感がいいネタです。サンマはくちばしが黄色いものが鮮度の目安です。

出典:https://sushi.zukan-bouz.com/detail.php?id=365

https://www.hankyu-dept.co.jp/hkblog/restaurant/RestaurantShop1/00673450/?catCode=301010&subCode=302031

イクラ

明治時代にロシアから伝来した海の宝石

画像出典:https://ki1.jp/1860

 

イクラの旬は9月~11月です。鮭が産卵の為に川を登ろうとする時期あたりから旬になります。
丁度北海道の鮭漁の解禁も8月下旬あたりからですので、美味しいイクラが出まわるのは9月上旬あたりからです。

鮭の卵としての「イクラ」自体は平安時代から存在しているようですが、どんな食べ方をしていたのかはわかっていません。江戸時代の「本朝食鑑」にイクラは「はららご」として記載されています。そこには塩漬けにした筋子をほぐしてばらばらの粒にしたものだと書かれています。ただしこれは天日乾燥した保存食で、現代のような生のイクラではなかったようです。明治40年以降になってようやく、イクラはカムチャッカでのサケ・マス漁業の発展によって、ロシア人から伝わりました。日本で生のイクラを食べるようになったのはこの頃なのです。

軍艦巻きはあの「久兵衛」が生みの親

先述の通り、イクラの軍艦の歴史はまだ浅く、誕生したのは明治〜昭和期。江戸時代には珍味として扱われていたので、江戸前寿司のネタにつかうなんてことはどの職人も思いつきませんでした。それが昭和16年、銀座の高級寿司店「久兵衛」で、常連客の1人が主人の今田寿治さんに向かって、「もっと珍しい寿司を食べたいな。たとえば、イクラの寿司とか、うまそうだよなぁ」と話しかけたといいます。その言葉をヒントにして、酢飯を海苔で囲む「軍艦巻き」のアイデアを思いついたそうです。軍艦巻きの元祖になったイクラ、発祥はあの有名店だったのですね。

出典:イクラの軍艦を発明したのはあの老舗店だった!SUSHITIMES

 

シマアジ

産卵期の冬に向けて脂が乗り始める、今が最高の食材

画像出典:https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%A2%E3%82%B8

しっとりとほどよく脂がのり味のよさが人気のシマアジ。出回っているシマアジのほとんどが養殖または半養殖ですが、刺身にして味わうなら産卵期である冬に向けて脂が乗り始めるこの時期を狙いましょう。シマアジには糖質の代謝を促してくれるビタミンB1や、タンパク質のエネルギー代謝をサポートしてくれるビタミンB6、カルシウムの吸収を補助してくれるビタミンDなどの栄養成分が多く含まれています。また、脂質にはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、旨いだけでなく身体にも嬉しい食材のひとつです。”

出典:https://www.olive-hitomawashi.com/column/2019/06/post-5151.html

生でも、ヅケでも◎。口の中でとろける脂が絶妙な鮨の華

シマアジ:https://sushi-blog.com/entry/2020-07-13-211452

養殖もののシマアジは脂が強く、口に入れると脂がとろりと溶けだし濃厚です。活け締めなので食感がよく、シコシコしていて後味も良いです。一方天然もののシマアジは適度な脂とうま味があり軽い食感だと言われています。シマアジは皮目の美しい魚なので、背の銀皮を綺麗に残して皮を引きます。また、味にパワーのある魚なので熟成に向いていますし、軽い漬けにすることも。軽く漬けにすると身がねっちりして脂も旨味も強く、シャリの酸味と乳化した時の印象を強めます。

出典:https://sushi.zukan-bouz.com/detail.php?id=21

https://temaeitamae.jp/top/t3/a/6.html

鮨が10倍楽しくなる旬魚の世界 No. 30~夏~シマアジ(縞鯵・島鯵)

戻り鰹

産卵すべく赤道へ南下してきたものが戻り鰹

別名「下り鰹」とも呼ばれます。4~5月に北上してきた「初鰹」「上り鰹」が北の海で豊富なえさを食べ、また産卵すべく赤道へ南下してきたものが戻り鰹です。丸々と太り脂の乗った鰹はこの時期が一番ですね。

刺身用のカツオは、最近は皮を除いて店頭に並ぶのが一般的。きれいな赤みがかった身が新鮮さの目安です。時間の経過により血を含んだ水け(ドリップ)が出るため、それがないものを選びましょう。カツオは、鮮度が落ちるスピードが早いと言われているので、購入したらその日のうちに食べるのがベストですよ!翌日に調理する場合は、めんつゆ等に漬け込むのも良いですね。

握り寿司には「戻り鰹」が最高!

握り寿司にして旨いのはやはり戻り鰹です。この時期濃厚で良質な脂を満載して戻ってくるカツオは人によってはマグロよりも美味しいというほど。

【カツオのたたき寿司】

画像出典:https://chefgohan.gnavi.co.jp/ippin/33/66/

カツオを軽く炙り、そのあと氷水でしめたものをカツオのたたきといいますが、これで握ったカツオのたたき寿司はまた絶品です。脂が熱でとろけかけたところを氷水でしめるためしゃきっとした歯ごたえが楽しめます。このカツオのたたき寿司の場合は薬味をわさびではなく違った薬味で食べることも多いようです。

【カツオのてこね寿司】

画像出典:https://www.kurashiru.com/recipes/5bc6675d-678a-498c-8951-a44f20ecab2d

カツオ・飯・しょう油タレをまぜこんだてこね寿司。お寿司屋さんのメニューというよりも郷土食といった風合いが強いのですが、独特の風味が楽しめます。三重県の郷土料理なのですが、現在ではカツオのてこね寿司セットなるものが販売されていて、通販でおとり寄せできるようになっているので興味のある方は取り寄せてみては!?”

出典:http://www.sushiwalking.com/katsuo/

“https://cookbiz.jp/soken/culture/katsuo/

https://chefgohan.gnavi.co.jp/ippin/33/66/”

編集:SUSHITIMES編集部

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