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NYのパンデミックを乗り越えた鮨店の復活劇 【SUSHI TIMES ORIGINALS】

”Kissaki”は2020年1月にマンハッタンのバワリー地区にオープンした高級鮨店です。

おまかせで160ドルから。そのクオリティが開店とともにニューヨーカーに評判となり一躍人気店となりました。

しかし、新型コロナウィルスが蔓延し始めた時に、Kissakiにはテイクアウトメニューもデリバリーサービスも設定されていませんでした。そこで、オーナーのゲリー・カンファー氏はある手段を思い立ちます。

「病院用に大量生産する必要があったので、ロボットが私たちにとって最良の選択肢であると判断しました。さらにロボットは従業員が魚に触れる機会を減らす事もでき衛生的で、一石二鳥だったのです」とカンファー氏は話します。

寿司ロボットと多くの寄付のおかげで、同店は安定的に鮨を生産することに成功します。最前線でパンデミックと戦うニューヨークの医療従事者約2,000人に美味しい鮨を提供する事ができたのです。

5月1日、Kissakiはテイクアウトとデリバリーメニューを開始。収益は週に約55,000ドル(パンデミック前の実績)に戻りました。

2店舗目はマンハッタンのミッドタウンにオープン。開店当時はCOVID-19が原因で必要な新鮮な魚の一部を地元の流通業者が利用できなかったため、日本から直接魚の輸入を開始しました。レストランは今週末までにハンプトンズに3店舗目をオープンします。

 

エグゼクティブシェフ兼共同所有者のマーク・ガルシア氏は、顧客からの反応を踏まえ、控えめな感想を述べています。

「私たちは運が良かったのでしょう。今回のコロナショックは誰にとっても打撃でした。私も自宅でこの状況について考えているとき、もう二度と元に戻れないのではないかとも思いました」とガルシアは語ります。「そしてそれはみんなが考えたことだったと思います」

カンファー氏は「やがて、人々が安心してレストランに戻ってこれるようになることを望んでいる」と語りました。「私たちはお客様に安全だと感じて頂けるようにあらゆる努力を惜しみません。平穏な日々が近々戻ってくることを願っています。」

パンデミックが収束しても、店はスタッフを削減せず、ロボットはは持ち帰りや配達の注文にのみ使用されるという事です。

文:SUSHI TIMES編集部(英語記事を翻訳して抜粋)

出典:FOX5 NEW YORK / Sushi-making robot helps high-end restaurant survive pandemic

*元記事は2020年5月頃に取材されたものです