SUSHI TIMES

最高峰で培った技に、オリジナリティをプラス(青山 / 鮨 ます田)

「すきやばし次郎」での9年の修業を経て独立。食通ならずとも知っている寿司屋の代名詞ともいえる店の名前は、増田励氏を語るうえで、避けては通れない。本人もそれは重々承知している。

17歳から、生まれ育った北九州市小倉にある老舗「天寿司」で下積みを始める。その後、割烹料理などの経験を経て上京。「すきやばし次郎」での修業を決めたのは、多くの寿司屋を食べ歩いたなかで、もっとも自分が理想とする握りだったからだ。多くの弟子たちが挫折していく厳しい世界で、まかないから始まり、秘伝の煮切りに至るまで、小野二郎氏に「抜群の味付け」と評されるほどに腕を磨いた。

「もし、まったく同じ寿司屋を目指すのであれば、頭を下げて暖簾分けをお願いするという選択肢もあったかもしれませんが、自分の名前を冠して独立することを選びました」と語る増田氏。寿司種の仕込みや酸味をはっきり感じる酢飯などは、師の流儀を継承。その一方で、通常のお米と古米を独自にブレンドし、羽釜で一気に炊き上げる独自の方法を取り入れている。さらに、マグロ以外の仕入れは、あえて違う仲卸を開拓するなど、自身の個性をしっかりと模索している。「現在は、『すきやばし 次郎』で修業したという経歴で、一度は訪れてみようと予約してくださるお客様も多くいます。それは本当に有難いこと。いかに繋げるかが大切ですね」 

左. 小肌は、強めに〆た江戸前の仕上がり。芝海老をふんだんに使った卵焼きは、デザートの代わりになるような優しい甘さと口当たり。昼夜ともに、握りのみは18,000円、つまみと握りは23,000円。右. カウンター6席と個室を備える。夜のカウンター席の予約は、17時、19時、21時のいずれかで2時間制。

鮨 ます田


東京都港区南青山5-8-11 BC南青山PROPERTY B1
Tel.03-6418-1334
営11:30〜14:00、17:00〜23:00
休 日曜・祝日