SUSHI TIMES

【銀座 いわ】とにかく「美味しい」の一言を求めて楽しい時間を提供することがこだわりです

親戚のお兄さんが「一緒に鮨屋をやろう」と誘ってくれたから。
岩央泰さんが鮨職人を目指すきっかけは、些細なものでした。その約束を胸に、調理専門学校を卒業し、鮨屋の修業に入ります。
鮨に限らず、料理をすることは好きな性分でしたが、修業に入ればもちろん裏方からのスタートです。
「裏で仕事をしていた時の”鮨を握りたい”という初心は、今でも大切にしています。
鮨職人の醍醐味は、鮨を握って喜んでもらうことですよね。いわば接客業ですから、お客さんと向き合わないと職人の魅力は分からない」と修業時代を振り返ります。
だからなのか、鮨自体に”こうでなきゃ!”というこだわりはないと岩さんは続けます。
「自分で仕入れに行って、どう魚を旨く調理しようかは、毎日考えていますよ。ただ、訪れる人には、鮨だからと構えず、食事を楽しんで欲しい。基本はおまかせですが、材料さえあれば、お好みで握りますし、つまみのリクエストにも応えます」と、美味なる鮨への追究もさることながら、なによりもお客本位の考え方がうかがえます。
例えば、味のついた煮蛤はツメを塗らずに提供するのが「いわ」流。ただし、ツメの味に馴染みがありそうな年配のお客さんなら、塗ってから提供するという柔軟さ。「お客様の好みを察するのも仕事のうち。でも、せっかくカウンターを挟んで向き合っているんだから、もっと自由に振る舞っていただいていいと思うんです」と、岩さん。とは言え、もちろん節度は保ちつつ、ここはただただ岩さんが作った美味しいものが提供される

「楽しい場所」。その深い懐に身を委ねようじゃありませんか。

|岩央泰さん|

丁寧に鮨を握る岩さん。カウンターだけでなく、奥に座敷の用意もあります。家族連れで周りが気になるという方に、ぜひ使って欲しいとのこと

東京都八王子の出身。親戚のおじ様も鮨屋だったそう。高校卒業後は町田調理師専門学校へ進学。20歳の時に「銀座 久兵衛」ホテルオークラ店へ。さらに「鮨 かねさか」での修業を経て、2012年に銀座で独立。

白魚を桜の葉で蒸して握りに。少し早い春の訪れを感じます
美しく曲線を描くマグロ。小さめのシャリが鮨ダネとともにほどける
シャリを覆い隠すあなご。柔らかく、ホッとする味

銀座 いわ

住所:
東京都中央区銀座8・5・25
TEL:
03・3572・0955
営業時間:
12:00 ~ 14:00、18:00 ~ 22:00、日・祝12:00 ~20:00 不定休
Photo:加藤純平
Text:effec(佐藤潮、いずみかな、山田彩、荒井しんご)

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.148に掲載された情報です。