「突先巻き」ってなんで流行ってるの?
時折お鮨好きの人々のInstagramで見かけるこんな投稿。
「鮪の突先巻」がこの数年SNSを賑わせています。
「鮨とかみ」にいた佐藤博之氏(現「はっこく」大将)がブームの火付け役でした。
突先とはマグロの頭の付け根部分。よく動くため鮪の味が濃い部位であり、この部位から取れる身は僅かで、幻の素材と呼ばれています。
その味の濃さから普通のシャリでは負けてしまうため、数種類の赤酢を調合したとかみの旨口シャリと合わせられています。
香り高い海苔、そして丁寧な仕事を施した突先マグロをひとつの料理のように構築した、一度食べると忘れられないという究極の一品。
「鮨とかみ」では握りよりも先にこの突先巻きが出てくるという意外性のあるパフォーマンスが話題を呼んだのでした。
佐藤博之氏ならではのメニュー「突先」は以前勤めていた和食店で最高級のマグロと出会い生まれたのです。築地でトップクラスの仲卸「やま幸」のマグロです。このマグロには普通の酢飯では負けてしまうので、試行錯誤の末にやっと「このマグロに合う強いシャリ」に行き着いたのでした。これが佐藤氏の代名詞とも言われる「赤酢の効いた酢飯」の原点なのです。最高のマグロを最高の酢飯と最高のノリで巻いた「突先」がはじめに出されるわけで、お客の心は最初の一手から鷲掴みにされてしまうのです。
最高級のマグロを主役にしつつ、他店とは全く違うアレンジで注目を集める。さらにその美しい仕事ぶりをSNSでシェアさせる…
破竹の勢いの寿司職人・佐藤氏のマーケティング術は目を見張るものがありますね。
出典:鮨とかみ
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