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今が旬!知っておきたい、いくらの種類と選び方 基本編

オレンジ色とも赤色ともいえない綺麗な色に光り輝く「いくら」。あるホテルで行われた北海道フェアでは、バイキングの棚から真っ先にいくらの鉢が空っぽになったとか。寿司屋には1年中あるいくら。果たして種類や旬があるのだろうか?早速チェックしてみよう。

1.いくらとは何か?

筋子といくらの違いをご存知だろうか?
鮭の卵巣を取り出したものが、筋子。薄い皮に包まれた状態のまま塩漬けにしたものが、ご飯のお供や酒のつまみとして出回っている「筋子」だ。それとは別に、旬の時期にだけ塩漬けせずにそのまま出回るのが「生筋子」。近年では、首都圏や関西などの都会でも、旬の時期にはこの生筋子がスーパーの店頭に並ぶようになっている。

そして、その生筋子の薄皮に包まれている中の卵1粒1粒をほぐしたものが、いくらである。1年中、寿司屋の店頭でお目にかかれるのは、塩漬けにしたものだ。

ちなみに、いくらという名前は、ロシア語で魚の卵全般を指す言葉で、ロシアで黒いいくらと呼ばれる高価なキャビアの代わりに、赤いいくらとして鮭の卵が食されていたという。日本では、高価すぎるうえに塩辛いキャビアより、赤く光り輝くふっくらとしたいくらの方が、断然人気が高いのはご存知の通りだ。

2.いくらの旬と特産地

いくらは、鮭の卵巣をほぐしたものなので、鮭が産卵する時期が旬。つまり、9月〜11月は生筋子の採れる時期で、新鮮ないくらが食べられるこの時期が旬だといえる。

日本の一番の産地は北海道。ほぼ北海道全域で鮭漁が行われるが、中でも釧路など道東エリアで最も早く、8月下旬くらいから鮭が漁獲される。釧路駅前の和商市場には、この頃から生筋子が店頭に並び、いよいよ北海道の味覚満載の秋がやってきたことを感じさせてくれる。

他に、青森県、宮城県、山形県、新潟県なども鮭の産地として知られている。県によって旬の時期は若干ずれていて、青森県や岩手県のいくらの旬は、北海道と同じ9月~11月、宮城県は10月下旬~12月下旬、新潟県では10月下旬~11月下旬となっている。

3.いくらの種類と選び方

一般的に「いくら」として流通しているものの中には、鮭の卵である「いくら」と、鱒の卵である「ますこ」があるようだ。「いくら」の方が粒が大きめで値段も高め。「ますこ」の方が粒は小さめだが、味は「いくら」とほとんど変わらず、値段が若干低いので、リーズナブルな居酒屋や寿司店などでは「ますこ」を使っているところもあるようだ。
スーパーなどの店頭でも、商品説明のところに「ますこ」と表示されているものがあるので、チェックしてみよう。

いくらは、皮が張っていてツヤと弾力があり、赤い色がきれいなもの、粒が透き通っているものが上質だ。旬の時期に出回る生筋子は、薄皮の表面がツヤツヤしていて、全体にふっくらとしているものを選ぼう。

4.旬の美味しい食べ方:いくらの醤油漬

鮭の産地の北海道では、各家庭で自家製のいくら醤油漬を作るという。自分で作れば、味付けの加減も好みに出来るし、何より新鮮な旬の味を堪能できるので、ぜひトライしてみよう。
作り方は下記の要領でやれば簡単だ。
ボウルに60くらいの湯を入れ(手を入れて熱いくらい)、その中に生筋子を入れる。
太めの菜箸でぐるぐるとかき混ぜると、いくらを覆っていた薄皮が剥がれてくるので取り除く。
薄皮が取り除けたら水を注ぐ。残っていた薄皮が水に浮いてくるので、上澄みを捨てる。
再度、水を注いで手でサッとかき混ぜ、残っている薄皮や筋を浮かせ、また上澄みを捨てる。この作業を数回繰り返して、いくらをきれいに掃除する。
きれいになったら、ザルにあげて、水気をよく切る。
いくらを瓶や密閉容器に入れ、酒と醤油を好みの味付けで注ぐ。
醤油漬にしてからすぐ食べることもできるが、味をしみこませるなら2時間ほど冷蔵庫に入れて寝かせる。そのままずっと汁につけたままだと、味が濃くなりすぎるので、2時間くらいしたら汁を切って冷蔵庫で保存すれば、1週間~2週間は食べられる。
また、たくさん作った時は、醤油漬のまま冷凍保存が可能だ。食べる時は、冷凍庫から冷蔵室に移して自然解凍すればOK。

結論

動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防に役立つといわれる不飽和脂肪酸のDHAやEPAを豊富に含むいくら。内臓脂肪の蓄積を抑えてくれる栄養素も含まれているというから、メタボが気になるお父さんの強い味方でもあるのだ。生筋子が出回る季節には、ぜひ自家製醤油漬けに挑戦してみよう。

出典:オリーブオイルをひとまわし