職人のための寿司桶の選び方 | SUSHI TIMES

職人のための寿司桶の選び方

お鮨屋さんで酢飯を作るのに使う木製の入れ物、あれなんて呼びますか?いくつか呼び方がありますよね。寿司桶(すしおけ)は、寿司を盛り付けるのに用いられる桶全般のことです。また、酢飯を調理する際に用いる桶のことも寿司桶と言いますが、こちらは飯台(はんだい)または飯切(はんぎり)半切とも言います。盛り付けメインで使う寿司桶と寿司づくりの際に使う寿司桶とは違うということを確認しておきましょう。この記事では後者の方の寿司桶をご紹介します。

寿司づくりに使うなら、塗りなしの木製寿司桶がおすすめ

最近では樹脂製のものもありますが、本来の目的は木が酢飯の水分を吸ったり放出したりコントロールする為に使用されるため、本来の味にこだわる職人はほとんどの場合は使用しません。寿司づくりに使うなら、器の表面に塗りを施していない木製の寿司桶がおすすめです。酢とごはんを混ぜる際に、余分な水分を塗りの無い白木の寿司桶に吸収させながらつくると、水分量が調整され、美味しい酢飯になります。塗りの寿司桶やボウルでも酢飯ができないわけではありませんが、よほど水分量に気を遣わないと、べたついてしまいます。

木製寿司桶は素材の確認を

次に、寿司づくりのための木製寿司桶の選び方を確認しましょう。木製寿司桶は素材で選ぶことが大切。「安いから」と素材を見ないで飛びついてはいけません。寿司桶の素材には、杉や桧、さらにはモミや白松なども使われることがありますが、おすすめは「さわら」です。木曾地方で多く産出され、「さわら」製の寿司桶もたくさん製造されています。

さわら製の寿司桶 

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耐水性・耐久性の高さなら赤身&柾目

木材の部位まで注目してみるなら、赤身&柾目がおすすめです。赤身とは木の芯を含む部位のことで、成熟しており、未成熟な部分よりも耐水性と耐久性に優れます。柾目とは木の年輪にほぼ直角に挽いたときにあらわれる年輪が平行な木目のことです。柾目は板目に比べ、そりや収縮が少ないとされます。
赤身&柾目は1本の木から取れる量が少ないため、どうしてもコスト高になります。ですが、寿司桶は水回りで使うもの。すぐにカビが生えたり、そったりしては、使い物になりません。

柾目と板目

画像出典:森の板目研究所

寿司桶本体の材質でタガを選ぶ

タガとは寿司桶の板一枚一枚を止めているパーツのことで、金属製のものや木製のもの、樹脂でできているものなど素材は様々です。寿司桶本体の木材がさわら・桧・杉等でできており、赤身の柾目を用いるなど、反りやゆがみが出にくいものなら、金属製のタガが良いでしょう。金属製のタガは伸び縮みしないので、もし寿司桶本体に収縮が起きたときには外れてしまう可能性がありますが、そういった危険性が少ないなら、耐久性では圧勝です。逆に、予算の関係で寿司桶本体の素材を安価な木材にした場合には、収縮が気にかかります。その場合には多少の収縮にも対応できる樹脂製のタガがおすすめ。タガ落ち防止の「P!リング」などが有名です。


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タガ外れが心配ならタガなしの削りだし寿司桶もおすすめ

過去にタガ外れを経験し、「やっぱりタガ外れが心配」という方には、タガなしの削りだし寿司桶が安心感があるでしょう。タガなしの削りだし寿司桶とは、丸い板をくりぬいて接続面なしの一枚板でできたもの。タガをはめる必要がありません。見た目もオシャレで、そのまま食卓にサーブできるようなデザイン性もあります。


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取り扱いの注意点

使用後は木が水を吸っているので、しっかり乾燥させないとカビが生える可能性があります。洗浄時に洗剤を使用する場合は、水に十分につけておいてから洗わないと、木が洗剤を吸い込んでしまいます。作り上げた酢飯を入れ置くためには、桶と同じ作りの木のふた・布巾を使用しましょう。寿司桶のトラブルで多いのは、乾燥によって木材が収縮してしまいタガが外れたり、割れたりといったものですが、さわらは木目が細かく乾燥によるサイズの変化が少ないため、耐久性が良いと言われています。また、適度な油分が含まれているので、水や湿気、酸にも強いとされます。ちなみに、さわらほどではありませんが、杉・桧も比較的耐久性が高いとされます。ただ、モミや白松は安価ではありますが、水回りでの使用はカビの心配があります。取り扱いには充分注意し、使用前後のケアをしっかりとしましょう。


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