昭和の文豪が愛したお鮨屋さん

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日本の小説には鮨屋の描写が数多く出てきます。
修業中の小僧の人生を描いたものや寿司そのものの芸術的な美しさ、味を描写したもの。
文豪たちは日本人の心の真髄を自らの作品の中で描いてきました。

全国各地には彼らが通ったお店がまだ残っています。小説を片手に一度訪れてみてはいかがでしょうか。

池波正太郎

与志乃 (東京都京橋)

先代の吉野末吉氏は、天才寿司職人といわれた人。その天才の元で修行を重ねたのが、後にミシュランガイド常連となる、「すきやばし次郎」の小野二郎氏、「鮨 水谷」の水谷八郎氏です。
池波正太郎が「ここの寿司は連綿と続く江戸前の小粋な味がする」と褒め讃えたように、最高峰の江戸前寿司のルーツが「与志乃」にあるといえるのかもしれません。

「ここの鯖は、何ともいえない。〔与志乃〕は、ほんとうの、東京の鮨屋だ。」

『夜明けのブランデー』より

出典: 池波正太郎が愛した「東京の味」 vol.3【寿司編】

司馬遼太郎

寿し吉田 (福井県福井市)

『寿し吉田』は、司馬遼太郎の『街道をゆく (18) 〈越前の諸道〉』で紹介されたお店としても有名で、福井の名士たちがこの店の味に惚れ、足繁く通う老舗寿司店として名を馳せています。『成前』店主・田畑健太郎は『寿し吉田』の3代目寿司職人として、新鮮な魚介類と自らの目利きで仕入れた『成前』の蟹をお客様に提供しています。

出典:越前かに成前

谷崎潤一郎

又平 (兵庫県三ノ宮市)

「長いこと東京に行ってたよってに、鯛の新しいのんが食べたいやろうで」と、「細雪」で、蒔岡家一行が鮨をつまんだ店が神戸三宮にあります。「又平」という名前のお店。店名はもともと「与平」だったのが、「又平」に変わったとか。ここの寿司をつまんで「細雪」の世界に浸るのもいいかも(笑)。ここの名物は「いかだ寿し」。鯛を好んだ谷崎の「何か鯛で変わったものを」というリクエストに応えたものだそうです。

出典:谷崎潤一郎ゆかりの寿司屋:又平

志賀直哉

日本橋 蛇の市 本店 (東京都)

小説の達人・志賀直哉に「小僧の神様」という短編の傑作があります。小僧と富裕紳士が屋台の鮨屋で遭遇することから始まる物語ですが、この店はその志賀直哉が命名したのだそうです。

出典:朝日新聞