仲卸業者さんと仲良くなろう! | SUSHI TIMES

仲卸業者さんと仲良くなろう!

良いものを扱っている仕入先を選び、その仕入先と良好な関係を築くことは寿司職人にとって重要な仕事です。そこで、仲卸業者さんとの関係を築くためのコツをご紹介します。

1.仕入れの姿勢

相手も人間ですから、良好な関係を築けるかどうかは、その職人さんの対応次第です。仕入れをお願いする場合に以下のような点に気をつけましょう。

値段を問わない
仕入先には、自分が最高のものが欲しいことを明確に伝えること、究極を目指すなら、値段は問わないことです。例えば、魚介類の仲卸しで常連になってから、次回の仕入れで特に欲しいものがあれば、「××産の釣りもので、2キロから3キロの最高の△△△が欲しいです。値段はいくら高くてもかまいません。1キロ5万円でも10万円でもかまいません。(現実的な最高値をはるかに上回る金額)」とはっきりと伝えれば、仲卸しは強気で競りに望めます。

感謝の気持ちを丁寧に伝える
仕入先への尊敬と感謝の気持ちを言葉で伝えること。仕入れたモノがとても素晴らしかった、というような言葉は、仕入先の方々の喜びにつながるはずです。仕入先の方々に必ず、「ありがとうございます。」とお礼の言葉を伝えましょう。毎日仕入れるわけでもない、しかも少量しか買わない私などに、惜しげもなく最高級のモノを適正な値段で売ってくださることへの心からの感謝の気持ちが重要です。また、魚介類や調味料などを送ってくださる仕入先の方々にも、メールや手紙で丁寧にお礼の言葉を伝えると良いでしょう。

2.仕入先の選定

築地場内市場の仲卸しの総数は約900軒前後。上物店も多く、その中から、ネタごとにとびっきりの仲卸しを絞り込んでいくのは、なかなか大変なことです。築地以外の大きな市場で仕入れをされる場合にも、参考になると思います。具体的には、以下のような仲卸業者を選ぶと良いでしょう。

競りに強い

競りを何度も見て、最高級の魚介類をコンスタントに競り落としている仲卸しを特定します。競りに強い仲卸しは、競りにはかけられない魚介類も上物を扱っている場合が多いです。

すしや日本料理の一流店が仕入れている
上物の仲卸しには、すしや日本料理の一流店が顧客として多くつきます。築地の場内市場では、すしや日本料理の一流店のご主人達をよく見かけます。そういう方々が、書物で仕入先を明らかにしていることもあります。たとえば、アナゴは競りにはかけられませんが、江戸前の上物を年間を通じて扱う仲卸しは決まっており、その数は築地広しといえどほんのわずかです。そのような魚介類の仕入先選定には、特に役立ちました。すしネタのうち活魚に関しては、すしの一流店よりも日本料理の一流店の方が、上物の仲卸しを選ぶ傾向にあると言われています。

養殖モノや蓄養モノを扱っていない
カキのような特殊なモノを除き、養殖モノや蓄養モノを扱っている仲卸しは、選定対象から外すべきです。そういう仲卸しで、天然モノだけを仕入れている一流店の方を見たことがありますが、値段は安く、まあまあのモノはあっても、とびっきりの上物は置いていないはずです。

自分が欲しい量を販売できる
築地場内市場では、マグロやカジキはコロ(大きく切り分けたかたまり)で販売されています。コロから3センチくらいを輪切りのように切ってくださる仲卸しもありましたが、それでは、まともなすしにはなりません。その他の魚も、最低一匹単位(場合によっては半身も可能)での仕入れが原則です。これでは使い切ることの出来ない魚もあります。

目利きに優れ、勉強熱心
魚介類は、大きさ、脂のノリ、時期、産地、漁法、漁師の扱い方、流通過程での扱い方などによってその良否が決まります。また、オスかメスかによって評価が大きく変わるものもあります。(魚の身に関しては、一般的にメスの方が上です。)

出荷調整された魚には注意!

魚を扱う多くの人にとってとてもやっかいなのが、青ものや白身の高級魚です。なぜならば、漁獲後生け簀で何日も魚を生かし、場合によってはせっかくの天然ものに餌を与え蓄養魚化してしまい、 相場が上がりそうな時に、活け又は活け締めの状態で出荷してくる業者が少なくないからです。もちろん、食べても味がなかったり養殖魚のようだったりで、到底高い金額に値するものではありません。活けのエビ類(特に伊勢海老)や貝類(特にアワビ)にも、特に注意が必要です。また、高級魚ではなくても、ブランド化された魚介類は、出荷調整されがちだと思います。これを見分けるのは魚のプロにとっても難しいことで、蓄養魚化された魚が、競りで高値をつけることもあるそうです。

参考・出典:江戸前のすし (寿司・鮨・鮓) / 究極の仕入れ・仕込み・レシピ